We are THE バカップル
45




三日ぶりに見た東京の景色は、別段感慨深くもなかった。
空港の景色などどこも同じようなものだ。
同じようなサラリーマンに、同じような家族連れ、同じような店構え。
ふと、途中で土産を頼まれていたことを思い出し、土産専門の店に入った。
一番初めに目に付いたチーズケーキを、思いつく知人分購入する。
ガキ共の分は一まとめでいい。ハスタの分も買わない。
釣り銭が返ってきた後に、もっと日持ちがするものを買えば良かったと気付いた。
そして、妙な心地になった。
これからとるべき行動と、どこかちぐはぐな考えだと思ったからだ。



電車を乗り継ぎ、地元駅まで帰ってきたころには、四時半をまわっていた。
駅を出て、まず肌寒さを実感した。
同じ日本と言えど、長崎と東京間の寒暖の差はごまかしがたい。
コートの襟を立てつつマンションまで後数分というところで、
見覚えのある赤毛が曲がり角の向こうにちらついたのを見つけた。
そばに膝丈ほどの子供を連れている。見たことがない子供だ。
あちらも俺に気付いたらしく、小走りに近づいてきた。

「おー、リカルドじゃん!帰ってきてたんだ」

制服姿のアニーミは、真っ赤になった鼻をこすりながら言った。

「さっきな」

「ふーん、そお。まっ、お疲れさん」

「お前は部活か?」

「まあね。それはそうと……ほいっ」

開いた掌がぽんっと差し出される。

「なんだ」

「決まってるじゃない。お土産よ、お・み・や・げ!」

「あいにく小分け出来るものじゃない。家に来たとき出してやる」

「へぇ、ってことは食べ物?もしかしてお菓子?」

アニーミは俺の左手に下がったビニール袋に顔を近づけて、
犬のようにくんくんと匂いを嗅いだ。

「……う〜ん、なんだろ。カステラ?」

ぴったりと密封された箱からは、チーズの匂いは漏れていないようだった。

「来てからのお楽しみだ」

俺が笑うと、アニーミちぇっと舌打ちし、
スクールコートのポケットに両手を突っ込みながら、後ろを振り返った。
二つ先の電柱の影に、緑色のオカッパ頭がのぞいている。

「おーい!コーダ!優しいおじさんがお菓子食べさせてくれるってー!」

アニーミが全て言い終える前に、園児服を身につけた小さいのが飛び上がった。
本当に小さい。多分、足元に居たら気付かずに踏み潰してることだろう。

「おーっ!お菓子!でかしたんだな、イリア!」

コーダと呼ばれた子供は跳ねるように走ってきた。
たすきがけした黄色い鞄がぴょんぴょんと揺れる。

「偉そうな口叩くなっつーの!ったくぅ……」

その頭を、ぽかりとアニーミが叩く。
アニーミはチェック柄のマフラーを巻きなおしながら、俺に向き直った。

「うーんと、見るの初めてだよね。こいつはコーダ。
実はさ、幼稚園までお迎えに行ってた帰りなの。
母さんが映画見に行っててさ、私にお鉢が回ってきたってわけ」

「兄弟がいたのか」

俺がしげしげと、猿か鼠のような風貌の子供を観察しながら言うと、
アニーミはあっと口を押さえた。

「うげ、言うつもりなかったのに。まあバレちゃしょうがない。
うち、結構兄弟多いのよ。こいつは一番下の……」

アニーミの口が”い”もうとか、”お”とうとの形に開きかけたとき、

「コーダはコーダなんだな、しかし」

妙に鼻にかかった愛嬌のある声が割り込んだ。

「男も女もないんだな、しかし。コーダはただのコーダなんだな」

性別不詳のコーダは堂々と、小さな胸を張った。
アニーミが、自身の額ぺちんと叩く。

「これだからなあ……まいるわよ、もう」

「個性的だな」

哲学的というべきか。

「まあねえ。姉としてはいささか将来が心配っつーか……。
それにね、こいつ、こんなちまっこいくせに私の倍は食べるのよ。
将来はオデブ街道まっしぐらだわ。まったく、どんな幼稚園児だっつーの」

はあっと息を吐いた後、

「まあ、甘いものなら私も大歓迎だけどね」

期待に満ちた目が俺の顔を見詰める。

「ね、ね、邪魔してもいいわよね?帰っても誰もいないし、ヒマなのよ。
散らかしたりしないように、ちゃんと見てるからさ」

アニーミとコーダの二つの瞳が、キラキラと輝く瞳で俺を、
もとい手提げビニール袋(菓子入り)を凝視する。

「悪いが、今日はなしだ」

二人の口から、一斉にえぇーっと声があがった。

「なんでよー!いいじゃない」

「お菓子ー!お菓子食わせるのだしかしー!」

今にも掴みかからん勢いのアニーミの肩を押し返し、
すでに足にしがみ付いているコーダにいたっては無視することにした。

「ちょっと疲れててな。今日はゆっくり休みたい」

「なに、そうなの?」

アニーミの顔にふっと心配そうな色がよぎる。

「ふうん、そっか。いっつも顔色悪いから気付かなかったわ。
じゃあ遠慮しとくね。ちゃんとあったかくして寝なさいよ」

「あぁ、そうする」

頷く俺の足元で、コーダがうずくまった。

「うぅぅ……コーダのお菓子ぃ……」

「ったくう、現金なやつね!ウジウジしない!このおじさんは具合が悪いの!」

アニーミがコーダの襟首を掴んで引き上げた。ほとんど宙吊りである。
俺は少しだけ距離が近くなったコーダの顔を見て、

「そういうことだ。また今度来い。賞味期限内にな」

「うー……分かったんだな、しかし」

「バカ、こーいうときは、ありがとうございますって言うの!」

再び、ぽかり。なんともいい音が鳴るものである。

「コラ!あんまり叩くとバカになるぞ、しかし!」

「これ以上バカにする方法があったら教えて欲しいものね。
あんたにあるのは食欲だけでしょうが!」

「仲が良さそうでなによりだ」

兄弟喧嘩だか姉妹喧嘩だかを始めた二人に背を向けた瞬間、
俺は思いなおして足を止めた。

「なあ、アニーミ」

「ん?あによ」

コーダの頬をぐいぐいと引っ張っていたアニーミが、ふっと顔を上げる。

「お前、ミルダのことが好きか」

「はあ〜?」

アニーミはガクっと顎を下げ、初対面で宗教の勧誘をされたような顔をした。

「嫌いなのか」

更に訪ねると、アニーミはその顔を維持しつつ、盛大に肩を落とした。

「……あのさあ。そう聞かれて嫌いって答えるやつがいると思うわけ?」

「お前ぐらいしかいないと思っているが」

「あんたねぇ、人をなんだと思ってんのよ。でも、そうねぇ……」

アニーミは顎に手を当て、考え込むような素振りをした。

「まっ、キライじゃないわよ。で、なによ。なんでそんなこと聞くわけ?」

「いや、ならいいんだ。じゃあな」

「はあ〜?わっけ分からんない。時差ボケしちゃってんじゃないの。
あんたさぁ、アッチで何かあったわけ?」

「大人だからな。色々あるのさ」

今度こそ背を向けて歩き出す。声が背中を追う。

「なーによそれ!子供にだって色々あるっつーの!おーい、聞いてんのー!?」

角を曲がったときには、アニーミの馬鹿でかい声も大分遠くなっていた。


***********************************


「あっ、おかえりなさい!」

出迎えたミルダは笑顔だった。
玄関を閉め切らない内に、青いパジャマ姿が飛びついてくる。

「うーん……、これこれ。固い胸板とごつごつとした骨……久しぶりのこの感触」

俺はミルダの細い肩を掴んで引き離すと、真正面から顔をまじまじと観察した。

「体はもういいのか」

「うん、平気だよ」

瞳は探らないでおいた。
手荷物と土産の袋をミルダに手渡し、リビングに向かう。
いつもの習慣でテレビを付け、ソファに沈み込むと、どっとだるさが襲った。
別に方便を言ったつもりはない。本当に疲れていた。
ほとんどが気疲れというだ。
長崎を発ってから、いや、シアンと別れてからこっち、ずっと考えていた。
実行することへの気の重さが、そのまま鉛になって手足にぶらさがっているようだった。

「お兄さん、元気にしてた?」

荷物類を片付けたミルダが、ちょこんとソファの隣に座る。

「あぁ」

「そっか、よかったね」

僕も行きたかったな、とは言わなかった。
少しだけ救われたような、後ろめたいような気分になった。

会話が途絶え、ミルダは無邪気に俺の肩に寄りかかった。
さらさらとした銀髪が頬をくすぐる。
ミルダはしきりに長崎での話をせびり、俺は兄者との対決のことは伏せて適当に答えた。
道が狭くて車が走り辛いだの、空港の窓ガラスがステンドグラスのようになっていただの、
そういうくだらない話を、ミルダは頷きながら、ときたま指を絡ませながら楽しそうに聞いた。

テレビの前のソファは、なるほど、幸せというやつに満ちている気がした。
だが今は、それがひどく残酷なことのように思える。

――やはりやめよう

二十回はそう思った。しかし、一度出した結論を覆すのは難しかった。
何も知らずに幸せを享受しているミルダと、彼のぬくもりをを感じながら
切り出すタイミングを見計らっている俺と、どちらが不運なのだろう。

「ミルダ」

話の途中に、名を呼んだ。不思議そうな目が見上げる。
何も知らない目。あのときの、三年前のシアンもそうだった。
これから何が起こるか。何をされるか。何も知らないガキの目。

「なに?」

喉が渇いた。水を取ってきてくれ。
そう言いたかった。だが――

「話がある」

笑わずに言った。ミルダの笑顔も凍った。



場所を移動し、ちゃぶ台テーブルの対面に付いた。
奇しくも、ミルダが始めて俺の家に来たときと同じ配置だ。
すっとんきょうな告白におおいに動転したあの日。
あのときは、過ごしやすい季節だった。今は、ファンヒーターがうるさい。

「長崎に戻ろうと思う」

考えていた切り出し方を選んだ。ミルダが腰を浮かす。

「……なんで?」

「警察官として復帰する」

出来るだけ淡々と告げた。

「もちろん、その前にコンクールの作品は完成させる。
出展にも出すつもりだ。だから、早くても二ヶ月後の話になる」

「…………」

「マンションは引き払う。入寮の手続きは俺がする。
持ち出したい家具はお前の好きにすればいい」

「……信じられない」

うつむいていたミルダが、ぱっと俺の目を見た。
意外なことに涙は浮かべていなかった。
ミルダは天上をあおぐと、大きく息を吸って吐いた。

「なんで、そういうこと勝手に決めるんだよ!」

ミルダは掌で顔を覆い、机に突っ伏した。

「お前のためでもあるんだ」

伏したミルダの肩が少し震えた。

「これから先、俺と付き合い続けて、それでどうするつもりだったんだ?
俺と付き合い続けている限り、お前の両親は孫の顔すら見れないんだぞ。
お前はそういうことを考えたことがあるのか?
どこへ行っても偏見は付いて回る。俺との関係は枷になる」

本心から言った言葉のつもりだが、誰かのお仕着せ染みた響きだった。
異様に喉が渇いた。
俺はテーブルにない飲み物のかわりに、煙草に火をつけた。
指が震える。ミルダも震えていた。
震え、怯え、か弱かった。誰かが守ってやらなければならない。
しかし、その誰かになるには、俺はミルダに近づきすぎた。

「……なんだよ、それ……」

机に突っ伏したミルダが、キッと顔を上げた。

「僕が枷になってるのはリカルドのほうだろう!」

今まで聞いたことがないほど、強い口調だった。

「奇麗事ばっかり言って!要は僕が邪魔になっただけじゃないか!
それなら正直にそう言えばいいんだ!僕のためって顔して僕を捨てるな!」

「邪魔だなんて言っていない。俺はただ……」

「同じことだ!」

ミルダは立ち上がり、ちゃぶ台に手を付いた。

「僕、最初に言ったよね?リカルドと居る限り僕は幸せだって。
偏見?両親に孫を見せてやれ?そんなこと、どうでもいいじゃないか!
僕はリカルドさえいれば……」

「アニーミやベルフォルマやラルモもいなくていいのか?」

ミルダが、ぐっと言葉に詰まった。

「お前にはもう仲間がいる。友達がいる。
俺がいなくても、幸せに生きて行けるだけの絆がある。
そのことは、お前が一番分かっているはずだ。
俺はもう、お前の人生に関わらないほうがいい。
そのほうが、お前のためだ」

しばらく沈黙が流れた。

「イリアもスパーダも、エルも大事だよ。でも……」

ミルダはきつく目を伏せた。涙をこらえているのか。

「そんなの、建前じゃないか。なんだよ、詭弁ばっかり……。
僕のことを思ってるなら、ずっと僕と一緒にいてよ。
一緒に、長崎に付いて来いって行ってよ……」

涙声だった。
分かった、やめる。長崎へはいかない。ここでずっとお前と暮らす。
喉元まで出かけた。

「お前は子供だからそんなことを言っていられるんだ」

真っ赤になった目が俺を睨んだ。

「子供だから、子供だからって……」

ミルダの拳が小刻みに震えた。始めてみる仕草だった。

「じゃあ大人ってなんだよ!リカルドはただ、哀れみで僕と一緒にいただけなの!?
警察官に戻りたいならそう言えばいいじゃないか。僕のため、僕のためって……」

ミルダは細かな銀髪の間に指を滑り込ませた。

「リカルドはただ、僕を捨てる口実が欲しいだけだ!
僕が疎ましくて、邪魔で、でもいい人ぶりたいから、
僕のためって言葉を使ってごまかしているだけだ!」

考える前に体が動いた。
パン。乾いた音を聞いた瞬間に、俺がミルダを平手で叩いたのだと分かった。

「俺の生活をかき回しておいて、偉そうな口を叩くな!」

数瞬、視線が絡む。
どこかで千切れる音を聞いた。
二人を繋いでいた糸が引きちぎられた音だった。

ミルダはへなへなと、座布団に崩れ落ちた。
うなだれた首。淡い銀髪がかかる、真っ白な首筋。
それに思わず手を指し伸ばしてしまったのではないか。
本当に、そうだったのではないか。
しばらくの沈黙の後、ミルダがぽつりと呟いた。

「ずっと一緒にいられるかって聞いたよね」

長崎に発つ前のことだ。言われるまで思い出せなかった。

「リカルド、すぐに答えなかった」

嘲笑とも自嘲とも取れない笑みが、幼さの残る顔に広がる。

「リカルドは、きっとな、って言った。僕は、絶対って、絶対にずっと一緒だって
言ってくれるって思ってた。でも違った」

ミルダは立ち上がった。足元がふらついている。
体中の全ての力を使い果たしたような立ち姿だった。

「あのときから、リカルドにはこうなる予感がしてたんだ。そして、僕も」

自室へ戻る前、ミルダはふっと振り返った。

「電話でさ、風邪引いたからバイトを休んだって言ったよね」

あの笑みが深くなった。

「あれは半分嘘で、半分本当だったんだ。本当に風邪引いてた。
でも、あのとき、バイトのシフトなんて入ってなかったんだよ。
まだ11月だよ。インフルエンザなんて引いてる人、いるわけないじゃないか。
リカルドって本当、意外とヌケてるよね……」

ふっと息を付いて、ミルダはドアノブに目を落とした。

「僕がいたら、どうしたってリカルドは僕のことのほうを考えるから。
一人で長崎に行って、考えて欲しかった。
僕がいないところで、僕を天秤にかけて、選んで欲しかったんだ。
リカルドを試したんだ。賭けには負けたけどね。
……最低なのは僕のほうだ」

ドアがかちゃりと開く。しかしミルダは、立ち去ろうとしなかった。

「オランダに行きたいって言ったの、あれ、僕の誕生日だからじゃないよ」

ミルダの目から、ぽろりと一粒涙が落ちた。

「リカルドの誕生日だから。僕の誕生日の三日後」

俺は、多分目を見開いたのだと思う。
そんなこと、すっかり忘れていた。

「気付いてなかったんだね。……君らしいや」

ミルダは少しだけ、本来の純粋な笑みを作った。

「ミルダ」

俺は片ひざを立てて体を起こした。

「話し合おう」

「話し合う?」

振り返ったミルダの目はぞっとするほど冷たかった。

「なら、今すぐ僕を抱き締めてよ。
一緒に長崎に来いって。ずっと一緒にいるって言ってよ」

そのまま、ミルダは数十秒待った。
俺は、動けなかった。動けるはずが無かった。
ミルダはパジャマの袖で涙を拭うと、無理に笑った。

「僕は結局、僕の幸せしか見えてなかったんだね。
君も幸せになれなくちゃ、二人でいる意味がなかった。
そんなことに気付かなった。終わって当然だ。……迷惑かけて、ごめん」

扉が閉まった。
一人取り残された居間からは、その扉が鋼鉄の城塞のように見えた。
煙草は、吸っていない癖にファンヒーターの熱気に当たって目減りしてゆく。
吸う気も起こらなかった。


迷惑なんかじゃなかった。俺も助かっていた。
ミルダがいるからこそ、楽しかった。無味乾燥な日常が彩り豊かになった。
せめて、そう伝えたい。今すぐ立ち上がってドアを開けばいい。
しかし――

――リカルドはただ、僕を捨てる口実が欲しいだけだ!

あのとき、無意識に手が出た。
何かを考えるひまもなかった。

――私、ルカのことペットみたいに思ってた
アニーミの声が耳によみがえる。
そうなのかもしれない。
手間のかかる愛玩動物。
頭を撫でてやれば喜び、懐いてくれる。
可愛いペットを世話するつもりで、あいつと接していたのかもしれない。

――そのころの俺は俺でいられてんのかって
ベルフォルマは言った。
俺は、ミルダとの将来の展望が見えなかった。
暗い未来ばかりを想像してしまった。見えない将来に押しつぶされてしまった。

――好かれたいってことよりも、嫌われたくないって感情のほうが先に来てしまうんだ
ミルダ。
俺はお前に好かれたかった。本当は嫌われたくなど無かった。
だけど、もう遅い。なにもかも間違ってしまった。
幸せになって欲しい。
その思いに嘘はない。
どこかで、誰かと――アニーミのような女性と、幸せな関係を築いて欲しい。
普通の恋愛をして、普通の生活をして、普通の――

胸の中が、真綿で締め付けられるように痛んだ。
灰皿の隅で煙草が燃え尽きる。
最後の煙が、ふわっと渦巻いて消えた。

アニーミ、ベルフォルマ、ミルダ。
彼らの心の闇は、俺のものでもあったのではないか。

セレーナ。
闇だけを見詰めないということは、存外難しいみたいだ。


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